2013年3月10日日曜日

チャレンジを応援し、失敗を讃える文化

Googleの日本法人・元社長を務め、ソニー在籍時には「VAIO」などのヒット商品を世に生み出してきた実績をもつ、辻野晃一郎さんのセミナーを聴講してきました。これからの日本に不可欠な要素を、グローバルな視点から語っていただき、普段から自分でも意識していることや、新たなに学んだこともあったので、いくつか記しておきたいと思います。

再定義することで、世界を変える
これまで「当たり前」とされていたことが、崩壊しつつある時代です。業界の常識や雇用における終身雇用制など、今後10年でガラリと価値観が変わるであろうことは、数えきれないほどあります。そして、そのほとんどは、社会に対する問題意識が高く、行動力がある人たちによって、時代に合った価値観へと「再定義」されることでしょう。

世界をリードするシリコンバレーに限らず、世界中の起業家が、新しいサービスで世の中を再定義し始めているそうです。僕も普段から、どんな案件でも常識にとらわれず、まずは0から自分の頭で考えることを基本としていますが、「デザイン業界の再定義」をさらに意識して推し進めたいと感じました。

10年前より、10倍速いスピード感
インターネットの登場で、ワンクリックで地球の裏側まで瞬時につながる時代が到来し、ビジネスのスピードは、飛躍的に高まりました。しかし、日本では、そのスピードに対応できていない企業が、まだまだ多いのが現状です。

たとえば、担当者が商談に来た場合、その場で決裁するのが先進国のスタンダードなのに対して、「一度社に持ち帰って、上司に相談して、それから稟議にかけて・・・」なんて日本だけだと、辻野さん。そういえば、シリコンバレーで働く自分の兄も、全く同じことを言っていたのを思い出しました。アメリカの1週間が、日本の1ヶ月かそれ以上だとしたら、その遅れによる「チャンスの損失」は測りしれないですよね。

スマホと携帯電話、メールとFAXなど、ビジネスツールの世代交代は、これからも止まることはないでしょう。ますます即断力が試される「リアルタイム化」が進むはずです。僕のブランディングという仕事においても、(初めは驚きましたが)FacebookメッセージやLINEでご相談が来ることもあり、そのままフラットなコミュニケーションで仕事のやりとりをすることが、最近では増えてきています。何でもやみくもに速ければいい、という訳ではありませんが、スピード感はを常に意識することが大切だと思います。

チャレンジを応援し、失敗を讃える文化
変わっていくことを、楽しいと思うか、辛いと思うか。日本で「変わっている」というと、ネガティブにとらわれがちです。しかし、これからの時代は、変わらなければなりません。そのためには、たとえ小さくてもチャレンジが必要であり、それを後押しする応援するムードも必要です。

サッカーと同じで、アウェーだと本来の力が発揮できないし、多くのサポーターの声援を受けるホームでは、気持ちよくプレーできるものです。チャレンジする人を快く応援する。たとえ失敗しても、その勇気を讃えること。これからの日本はそのような土壌になって欲しいし、自分も意識して、自分より若い世代のチャレンジを応援していきたいと改めて思いました。

辻野さんは、グローバルな視点を忘れないように、宇宙から見た地球の写真を、常に見えるところに掲げているそうです。グローバルな視点、これからの自分を進化させていく上で欠かせない要素であることは、間違いありません。ちょうど模索している企画にとってヒントになることが聞けたので、今後に活かしていきたいと思います。

最後に、静岡で辻野さんのような著名な方のお話を聞けることは、大変ありがたいことです。このようなセミナーを企画してくれたNPOサプライズの飯倉さん、本当にありがとうございました。

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