織物の産地として栄えた遠州地方で、今もなお伝統を受け継ぐ遠州綿紬(えんしゅうめんつむぎ)。その遠州綿紬の生地や雑貨を取り扱う「
ぬくもり工房」さんのロゴマークをデザインさせていただきました。
由緒あるものを受け継ぐ会社のロゴマークなので、デザインを考えるにあたって、2つのことを大切にしました。1つ目は、古風になりすぎない「和」を感じること。もう1つは、目にした人が温かみを感じること。ロゴマークだけでそれらを表現しきるのは難しいことですが、こうした想いをもとにデザインすることによって、意志が込められた印象に残りやすいロゴマークになると考えています。
デザインはご覧のとおり、神社の鳥居がモチーフです。実は、浜松市の三ヶ日町に、織物の神様とされる織姫様をまつる「初生衣神社(うぶぎぬじんじゃ)」という神社があります。遠州織物の発祥に深くかかわる場所であり、ぬくもり工房社長の大高さんも、その縁をとても大切にしてお参りされている神社です。
神社の鳥居をモチーフにすることに迷いもありましたが、地元の伝統を次世代へと引き継ぐ意志があるからこそ、使わせていただくことにご理解が得られると思い、初生衣神社の宮司さんに了承を得た上で、願いを込めて使わせていただきました。
鳥居の中には、「十二単衣(じゅうにひとえ)のかさね色」に用いられる12色の和の伝統色を使用。遠州綿紬の特徴でもある「縞柄」の彩りをつくりました。来年には大きな動き(挑戦)も控えているので、地元ではこのロゴマークを多くの方が目にするかと思います。