2013年2月23日土曜日

静岡県の伝統工芸品

DMをデザインさせていただいた「静岡県の郷土工芸展」が、2月21日から始まりました。以前、パンフレットの制作にも携わらせていただいたご縁もあり、静岡県の伝統工芸には少し詳しくなりました。

たとえば、静岡市には1000年以上も前から信仰を集めている浅間神社(せんげんじんじゃ)と呼ばれる、由緒正しき神社があります。江戸時代にその神社を造営する際に、全国から優秀な職人が集められました。職人たちは、造営が終わった後も駿河の土地に住み続け、それぞれの技を磨いたことで、「漆器」や「指物」といった伝統工芸が、今の静岡市に根付いたとされています。

職人というと、緻密な「技」に目がいってしまいがちですが、その背景にある歴史や文化、つまり「ストーリー」を知ることで、現代と過去が「点」ではなく、現代を過去からの「線」としてとらえることができます。

そして、線としてとらえることができれば、現代の生活における実用面や、デザインの問題点が見えてきたりします。とかく伝統と革新は、合わせて語られることも多いかと思いますが、ただ新しいものを求めるのではなくて、そもそものルーツを理解することで、商品のストーリーが浮き彫りになり、魅力に深みが出ることでしょう。まず何事もルーツを探ること。ブランディングする上で、大切な心掛けのひとつだと思っています。