2012年12月21日金曜日

小山歯科医院|子象が増えた

普段、歯のことでお世話になっている『小山歯科医院』さんのロゴマーク、名刺、看板、車のカッティングシートをリニューアルさせていただきました。当初リニューアルをするにあたって、最も気になっていたことはシンボルマークの「象」の取り扱いでした。リニューアルの際に活かすべきか、なくすべきか、悩みました。
リニューアル前の看板を見ると分かるとおり(分かりにくいかも?)象が小山歯科医院のシンボルで、色々なところに登場しています。この象は、開院のときに院長自らが考えた、とても愛着があるキャラクターであると聞きました。お医者さんは身近な親しみやすさが大切ですし、長年愛されてきた象をあえて残す方向でアイデアを考えました。その中で「小児歯科に力をいれているのに、子象がいない?」ということに気が付きました。パッと見た時に、象の親子が楽しそうに歯磨きをしていて、親子で安心して来院できるイメージをつくることを決めました。
まずは、親子の象の書き起こし。親象と同じテイストで子象を描きました。モノクロの線で見ることで、色にごまかされることなくバランスを見ることができます。
重なり具合や色合いなどを検討して、親子の象の完成です。この提案には院長も驚いていました。リニューアルを依頼した時点で「きっと象はいなくなっちゃうだろうな・・・」と思っていたそうです。デザインというと「カッコイイもの」というイメージが世間にはあり、その中には、デザイナーに対して「意見を聞いてくれず自分のイメージを押し付けてくる」という、ネガティブな印象を聞くこともよくあります。しかし、僕たちは黒子であり、デザインは自分のもの(作品)ではないので、まずは依頼者の話に耳を傾けるのは当たり前のことですよね。話を聞いていく中で、残すべきもの、変えるべきものを取捨して判断をうながすことが、僕の役割であるといつも考えています。
看板は少し面が小さいこともあり、インパクトのある象の親子をデザインしました。もちろん「小児歯科」が明るく目立つようにしています。
そして、車のカッティングシートは「親子でシーソー」です。横長のスペースをどのように活かすかを考えながら、遊びの要素を取り入れました。左右の上げ下げのバランスを調整するのが難しかったですが、かわいらしく仕上がったと思います。
車のシートはもちろん自分で貼ったわけではなく、日伸工芸の石川さんに施工を依頼しました。看板からカッティングシート、展示会など、幅広く対応してくれる会社で、仕事もとても丁寧です。寒空のなか1時間半ほど、慎重にシートを貼っていただきました。お疲れさまでしたm(__)m