名刺の未来
名刺交換のときに、名刺をきらしていて「あっ、しまった!」と焦ったこと、皆さん一度はあるのではないでしょうか。経歴だけでなく、趣味まで把握できるFacebookの登場で、たとえ名刺をきらしていても「Facebookやってます?じゃあ後から友達申請しておきますね。」と、名刺代わりに使われるようになりました。
そもそも、たった1枚のカード(名刺)よりも、Facebookやホームページの方が、よっぽど相手のことを知ることができますよね。それでも、名刺交換は(今のところ)なくならないし、少しでも自分の考え方が伝わる場にしたいので、今の時代にマッチした名刺の在り方を、考えることにしました。
最近では、サービスが多様化し、肩書きだけでは伝わりにくい仕事が増えてきています。そこで、「ショップカード」のように、ダイジェストで仕事を紹介するツールがあったら便利では?と考え、アイデアを練りました。仕事内容をCMのように、30秒ぐらいでパパッと伝えられるカード。名刺というよりも「プロフィールカード」です。
ということで、まずは自分の名刺をリニューアルしてみました。
形は、ショップカードでよく見かける「三つ折カード」です。三つ折にすると名刺と同じサイズになります。表紙は、名前、会社名、キャッチコピー。これなら、あとから名刺を整理するときに「どんな顔だったかなぁ」と思い出せないことは、ないでしょう(笑)※写真撮影は、大野カメラワークスさん
開くと「中小企業のブランディング」という文字。自分が何を軸にしているのかを、シンプルに表しています。中面では、ブランディングについて、3つのカテゴリーで整理してあります。
まず、こと。商品の長所や独自性に気づき、ブランディングに最も大切ともいえる「ストーリー」を構成します。またプロジェクトで、初めに共有する価値観「コンセプト」を考えます。
そして、もの。商品の形、色、バリエーションなど、「デザイン」の側面からアドバイスします。また、誰に売るのか、どこで売るのか、といった販売方法についても考えます。
最後に、つたえる。ロゴマークやパンフレット、パッケージやホームページなど、どんなツールを使って「こと、もの」を伝えていくのか、ご提案します。
さて、こうして出来上がったプロフィールカード(裏面は、連絡先ですが、個人情報も記載されているので、ここでは割愛させていただきます)。
それでは、名刺交換をイメージして自己紹介してみます。
(名刺を渡して名前を名乗り、相手から「どんな仕事をしているんですか?」と尋ねられたあと)
「聞きなれないかもしれませんが、ブランディングという仕事をしています。こと、もの、つたえる。3つの分野で、中小企業のサポートをさせていただいています。下請けが主だった中小企業が自社製品を作ったり、農家の方が自分たちの手で野菜を売るような時代になりました。優れたものを作ることには自信があっても、販売することに関しては不慣れな会社がとても多く、デザインの側面から様々なアドバイスをさせていただいています。もしご興味ありましたら、お時間あるときにでも、ホームページをご覧ください。」
はい、以上でちょうど30秒です。
すでに何人か手渡した方には、「分かりやすい」「印象に残る」と、おおむね好評です。しばらく使ってみて、これからお客さんにもプロフィールカード方式の名刺を提案してみようかと思います。
【55634ホームページ】http://55634t.com